シャニマス

……あれはある日のこと、友人と秋葉原に行って中央通りを南下している最中のことだった。
土地柄面白い人間がいっぱいいるところだが、ほかとは一線を画す濃い人だかりがある一角がある。
みんなスマートフォンを片手に何やら写真を撮っている様子。
近づいてみると、「アイドルマスターシャイニーカラーズ」といういつものロゴとともに勢ぞろいした一枚絵が貼ってあるではないか。
SNSをやってると流行りものの都合かよく見るので、「ほー、あれかぁ」と思って通り過ぎようとした際、視線の端にあるものがよぎった。
…………キャラクターの名前の書かれた下駄箱と靴である。
正直、知らない人からすれば「は?何それ?」である。
当時はよく知らなかったが、3周年記念でゲーム内で描かれている事務所のセット再現(と、ついでに物販)をしているらしい。
靴箱の写真がやたらSNS上でシェアされていたのが印象に残っており、何も知らずに見た私は「何だかわからないけど妙な気分の悪さや寒気がするな」と思う一方で不思議な高揚感を抱いていた。俗に言う「こういうとき、どんな顔をすればいいかわからないの」という状態である。
中を見ると、例の下駄箱から等身大パネルが全員分並んでおり、さらにその奥に事務所の再現がされていた。
ほかのゲームでもご当地でキャラクターのパネルやコラボグッズなどはあるが、この事務所の再現はなんというか「サイズ感」が違った。
等身大ゆえの再現度の高さというか、「生々しさ」がそこにはあった。
小物やポスターから冷蔵庫(さすがに冷蔵庫そのものが置いてあるわけではないが)の張り紙まで妙な『現実感』に襲われるのである。

……ということで、おシャニを始めましたでござる。2週間経ったかな?
「なんで?」「なんとなくです」
SNSで狂気的な絵をよく見るし、やたらめったら罵倒してきたり良くも悪くも「リアルにガキ臭い」キャラが多いなとは前から思っていた。
結局、あの展示の数日後にライブで情報解禁された「新キャラクター」「社長」「事務員」の関係性をまとめた画像(矢印とかで関係を書いた図。怪文書とか言われてるけど全部劇中で言及されてる)を見て、「これは、やるしかない。正直言って根幹からこの真っ黒く染められている世界が好きすぎる」と思い、その場でブラウザを起動して始めたのが事の始まりである。
古のゲームであるパワプロクンポケットのような沼を感じたので引き寄せられてしまったというのが本音である。

バンドリだったりシャニマスだったり忙しいな?ゲームやってるのはシャニマスだけだけど。